からここカンパニー

Story

からここカンパニー STORY vol.1

2025/09/22
からここカンパニーストーリー:小さなきづきをちゃんと聞く。それが、からここ会議の基本です

“小さな気づき”をちゃんと聞く
── それが、からここ会議の基本です

「まずは“共有”がほしいんです」 そう話すのは、三代目社長・からここカンパニーの小林雅代さんです。言葉の調子は常に穏やかですが、その奥にある想いはとても強いものでした。

私はある日、からここカンパニーの経営企画室の会議に立ち会いました。驚いたことに、そこには一般的に見られるような会議の“型”はありません。けれど、その場には確かに一体感がありました。参加メンバーが日々の業務の中の気づきや違和感を持ち寄り言葉にすると、誰かが必ず受け止め、会話が続いていきます。それは社長が「こうしましょう」と結論を示す場ではなく、メンバー全員で「どう感じた?」「それはなぜだろう?」と問い合いながら、関係性を育みあっていく時間だったのです。

「会議は、誰かの違和感を見過ごさない場所」

会議といえば、効率的に物事を決定していく場というイメージがあります。けれど、からここカンパニーの経営会議は少し趣が異なります。

「会議で“正しい答え”を出すのではなく、“各々の視点”を持ち寄ることを大切にしています」と語るのは、経営企画室の西さんです。

日々の業務に向き合う現場の声を、どうやって経営につなげるか。その鍵となるのが、“共有する文化”です。たとえば「最近、お弁当の包装がちょっと開けにくい」という気づきも、「○○園さんの先生が、食材について質問していた」という小さな報告も、自由に発言が交わされます。

「“話せる自分”でいられる場所であること。それが、経営企画室として一番大切にしているものかもしれません」 そう西さんが話すとき、そのまなざしは、食の製造という業務だけではなく、そこで働くひとりひとりの存在に向けられています。

会議での会話が“間(あわい)”をつくり、文化を育てる

小林社長は、会議という場は「間(あわい)」だと語ります。「間(あわい)」とは、日本の伝統的な概念。人と人の間に生まれる「間(あわい)」は、自己と他者といった異なるものが出会う事で生まれる、豊かで意味のある空間や関係性を指します。そこにある関係性や変化の余地、流動的な状態も重視する考え方が含まれていることが多いようです。

トップダウンで「こうしたい」という強い意志から物事が始まるというより、「どうしたら会社が良くなるのだろう」「何があれば皆が喜ぶだろうか」という問いから、経営メンバーの日々の行動が生まれています。経営方針の共有から現場での課題観察へ、そしてまた問い直す──その往復の中で、従業員同士の関係性も少しずつ変わっていく…そんな可能性を感じずにはいられません。

“押しつける経営”ではなく、“一緒に考え、改善を重ねる在り方”。その在り方を支えているのが、からここカンパニーの経営会議であり、そこに流れる「間(あわい)」だと、私は感じました。

「聞くこと」が、会社をつくる

諸外国からの技能実習生を受け入れているからここカンパニーでは、国籍や文化の違いを含め、多様な価値観や背景を持つ人々が共に働いています。そんな現場で、小林社長が大切にしているのは、「どんな人の声もきちんと聞くこと」です。

「会話の質が変われば、空気が変わる。空気が変われば、人も変わる。私たちはまず、社内の“会話”をより良いものに変えていきたいんです」

“会話”は、空気をつくるための手段であると同時に、変化のきっかけでもあります。誰かの一言が、次の誰かの意識を少しだけ変える。そんな連鎖が少しずつ重なり、全体の15%の人が「その言い方、ちょっと変えてみよう」と思い始めたとき、世界は動き出すのだと小林社長は語ります。

からここカンパニーの経営会議にドラマのような派手さはないかもしれません。けれど、日々の小さな気づきがきちんと話され、受け止められ、会社の改善や次の誰かの行動につながっていきます。

その連鎖を生む「会話」こそが、からここカンパニーの経営の土台なのだと強く実感した取材でした。

KEY Points

  • “共有”が重要な会議の目的: からここカンパニーでは、気づきや違和感を共有することで、社員同士の関係性とコミュニケーションを深めることを重視しています。
  • 会議は“違和感”を見逃さない場: 会議は、「正解を出す場」ではなく、「感じていること」を持ち寄り、互いの気づきに気付くことを大切にしており、現場の声を経営につなげる文化を育んでいます。
  • 間(あわい)をつくり文化を育てる会議の役割: 会議の“間(あわい)”を大切にし、「どうしたら会社が良くなるか」を問い続けることで、従業員間の関係性や経営の在り方も自然に変化していきます。
  • 変化を促す“話せる空気”づくり: 多様な背景を持つ社員が居心地良く話せる環境を整えることで、会話が変化の触媒となり、少しずつ組織全体の雰囲気や意識も良くなっていきます。
  • 小さな気づきの積み重ねが生む大きな変化: 毎日のちょっとした気づきや違和感を大切にし、それを話し合うことで、少しずつ改善や新たな行動が生まれ、会社全体の成長につながっています。

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