からここカンパニー

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2025/11/27

学校給食・幼稚園給食・産業給食の「松ちゃん給食」から、食の安全と安心、身体と心の健やかな営みを食を通して届ける「からここカンパニー」へ。2024年6月、三代目社長である小林雅代さんは、社名変更を決断。そして、社名変更から半年以上の月日が過ぎた今、彼女は何を思うのか。経営者として心境の変化はあったのか。人的資本経営が話題となっている昨今、等身大の経営者である小林社長にお話しを伺いました。

Profile

株式会社からここカンパニー
代表取締役社長 小林雅代

家業である給食会社を2020年6月事業承継。新規事業のスタートに伴い、2024年6月に「株式会社からここカンパニー」に商号変更。趣味は、テナーホーンの演奏、弓道、社内部活動のダンス部、コーラス部。

社名変更を経て、会社の姿勢や空気に変化はありましたか。

小林:以前より、事業構造の見直しや組織変革は少しずつ進めていましたが、「本当に会社が変わったんやな」と社内外に印象づけられたのは社名変更のタイミングだったと思います。社名変更したことによって、今までの給食事業以外の新しい事業にも目を向けれるようになりました。

経営において大切にされている基本姿勢を教えてください。

小林:常に変化を続けることですね。実際に、からここカンパニーは、松ちゃん給食時代から変化し続けて今があります。経営する以上、まずは利益を出さなければなりません。そのためには何よりもお客様を大事にすることが欠かせません。お客様を大事にし、利益を出すためにも、変化は必要だと考えています。

株式会社からここカンパニー
代表取締役社長 小林雅代

一方で、変化の裏には挑戦があり、挑戦には失敗がつきものです。失敗から学び、前に進むことを大切にしています。社員と一緒に悩みながら、取り組みを進めること自体が楽しく、その過程を私は大切にしています。

事業の展開については、どのように考えていますか。

小林:これまでの給食事業を基盤としつつ、介護食への取り組みを始めています。将来的には、さらにもう一つ、新たな事業を持つことができるとよいな、と考えています。
その理由は、少子高齢化社会が進む中で、食に関連する事業展開も多様化が進んでいるためです。仮に事業環境の変化で、一つの事業が難しくなったとしても、他の柱がある。そうした状態をつくることで、会社としての安心と持続的な成長につながると考えています。

働く環境づくりについては、どのような思いをお持ちですか。

小林:当社の従業員には、「人生が楽しいな」と思える毎日を過ごしてほしいと願っています。
人が生きていくには色々な出来事があると思います。会社は、一日で過ごす時間の大半を占めるからこそ、自分が大事にすることを大事にできる場所にしてほしい。例えば、仕事そのものを楽しみたい人には仕事を楽しめる環境を、家庭とのバランスを取りたい人には家庭を優先できる環境を用意したい─そんな働く環境を整え続けたいと思います。

地域や社会への貢献については、どのように考えていますか。

小林:地域に雇用を生み出し、食の安全と安心を提供し、少子高齢化社会に応えていくことは、今考えている私たちの事業の存在意義です。
学校給食、産業給食の枠組みを超えて、「新しい食の仕事を創ろう」と自然に思えるようになり、介護食の事業が育ちつつあるのは、そうした風土が社内に育ってきたからだと思います。社員の前向きな姿勢が、新しい挑戦を後押ししています。

将来に向けた展望をお聞かせください。

小林:事業規模の展望は、その旗印として「100億円の会社にしましょう!」と会社方針に掲げました。

例えば、事業規模を10億円から11億円にするアイデアは社内で出せると思います。しかし、そのアイデアを「20億、30億と拡げていく」ましてや「100億円の事業規模にする」となると、管理体制や人事評価などの組織づくりも含めて今以上のアイデアや工夫が必要です。

そんなイメージを社内で共有しながら、現在迎えている事業の大きな転換期を乗り越え、2040年頃には、次の世代が主体的に事業を担い、力強く成長を続けている姿を思い描いています。

社内の文化づくりについても取り組まれていると伺いました。

小林:「会社の文化は、間(あわい)でできている」という考えを持っています。
その実践として、様々なミーティングを行い、現場から出た課題や気づきを共有しています。対話を通じて組織全体に学びが広がり、文化として定着しつつあるのを感じます。
品質管理を含め、社内のあらゆる取り組みに対して「面白いな」と皆が感じ、会議や研修など、前向きに対話の場に出てきてくれる社員が増えていることが嬉しいです。最近では「勉強会をします」と声をかけると「参加したい」と返ってくるようになりました。以前にはなかった反応であり、学びの文化が根づき始めていることを感じます。

カラココカンパニーで行われている主なミーティング

全体

  • すいすい活動
  • 変革チームミーティング
  • 品質安全統括会議
  • 工場長ミーティング
  • 品質管理リーダーミーティング
  • 合同衛生巡回ミーティング
  • 介護食開発チームミーティング
  • ISO事務局ミーティング など

部門別

  • 経営企画室の定例ミーティング
  • 品質管理の定例ミーティング
  • 食品安全チームミーティング
  • 財務管理ミーティング
  • 人材育成・組織開発ミーティング
  • 広報チームミーティング など

品質・安全への取り組みについて教えてください。

小林:品質管理と衛生教育は、食を扱う企業にとって欠かせない社会的責任です。そのため、当社では、より一層の安全で安心できる食を届けるために、体制を強化しています。
例えば、工場から推薦された社員が衛生講習の企画を担うようになりました。このような社員一人ひとりが存在価値を感じて実践を行うような取り組みが全社に広がり、工場間の標準化と継続的な改善が進んでいます。今後も社員一丸となって品質安全については取り組みを続けてまいります。

最後にホームページをご覧の皆様へメッセージをお願いします。

小林:これまでの歩みの中で、会社は少しずつ変わってきました。
その積み重ねが社名変更という節目となり、社内外に「本当に変わった」と伝えることができました。

私にとって経営は、仲間とともに考え、挑戦を重ね、学び続ける過程そのものです。失敗も成長の一部であり、共に悩み、共に喜びながら進むことが会社の力になると信じています。

これからも、お客さまを大切にし、社員一人ひとりが自分らしく働ける場をつくり、地域や社会に貢献しながら未来を拓いていきます。
そして次の世代へ、より良い形で事業をつなげていくことが、私の責任であり願いです。

からここカンパニーの未来がますます楽しみですね! 
小林社長、本日はお話しをお聞かせいただき、ありがとうございました。

取材/文:三品 香(株式会社キャリアンヌ)

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